調和する

日本の色

日本の都市の色は、と聞かれるとなんとなくグレーだと思う。アスファルト、コンクリート、電柱、行き交う人の服、特に朝夕の通勤時のスーツの色など、やはりグレーが基本になっているように見える。色を使うのが苦手なのだろうか。と、思ったりもします。

四十八茶百鼠

確かに昔から日本ではあまり派手な色づかいは多くは無かったように思います。では色彩感覚が鈍いのかというとそうでは無いことがわかります。有名な言葉で四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)というように同じ茶色や鼠色でも色調を工夫して多彩な色合いを生み出し、決して華美では無い「粋」で洗練された色彩の文化があります。

古い建築物の色を見るとやはりそこには土や紙、木、自然の素材の茶色や鼠色のグラデーションがあります。イタリアやスペイン、メキシコなどの刺激的な色彩感覚はそこにはありません、自然に溶け込み調和することに重きをおいているのがわかります。

調和で生まれる美しさ

色だけでなく、建築物それ自体も軒がせりだし縁側があり境界が曖昧になり自然と調和するようにできています。それらは時間や季節によって変わる光と影、風を感じることができる装置にもなります。家具を置くのではなく畳や縁側、建築の部分が座る場所になり造付けの棚があり、建築自体が家具のような、家具が建築になったような、やはりそこにも調和があるのかと思います。

周囲に対して目立つことで美しさを強調するのではなく、調和する一体感に美しさを感じる独特の文化。そんなことを大切にしながら設計やデザインも考えていければと思っています。




wacca architects 一級建築士事務所
坊垣祐司

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