居心地の良さ

今、自宅の居心地の良さというものをあらためて考えている人がかなり多くいるのではないでしょうか。

このコロナウィルスによる影響でリモートワークが広がり人と人が物理的に会う機会が極端に少なくなり、自宅で過ごす時間は以前と比べ物にならないくらいに増えていると思います。リモートワークは通勤の混雑緩和や人口の都市集中の問題の解決に有効とされ、東京オリンピックを前に推し進めようとしていながらも現実には全く進んでいませんでした。それが今回の件で強制的にほとんどの会社がリモートワークに舵を切らざるを得ない状況になりました。つまり、これはコロナウィルス の影響で一気に進んだものの一時的ではないと考えられます。

となると自宅がこれまでとは異なりオフィスという仕事をする場所としての機能も必要になる。より多くの時間を自宅で過ごすことになり、その快適性は格段に重要になると思いますし、実際に皆さんそう考えているようです。

バーチャルでできないこと

いろいろなことがバーチャル空間やリモートで可能になりながら、実際に必要な空間の居心地の良さの重要性はより高くなるように思います。それはただ表面的な装飾ではありません。なぜならそういう見た目の部分はもうバーチャルでまかなえるからです。ZOOM会議などで背景はいくらでもバーチャルにして格好良くできますが、実際の居心地の良さは別に考えなければいけません。

では本質的に心地よい空間ってなんだろうと考えると単純なようですがやはり”自然環境”ではないかと思っています。

日中の時間帯に自宅にいることは、今まで利用できなかったものが存分に使えます。それは光と風です。光の差し込む風通しの良い空間以上の快適な場所はありません。これまで高気密・高断熱という謳い文句で気密性を高めることを追い求めてきた日本の住宅ですが、今回のコロナ禍は本質的に快適な空間を考え直す良い機会になりそうです。




wacca architects 一級建築士事務所
坊垣祐司



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