固有のもの

2020年の1月末ですが、パリのメゾン・エ・オブジェの帰りにスペイン-バスクのサンセバスチャン、ビルバオへ行ってきました。

ヨーロッパで毎回とても興味深いことは陸続きの土地の中であるにも関わらず(しかもそんなに離れてるわけでも無い)ちょっと隣に行くと、街の色や素材、装飾などが多種多様でそれぞれの特徴が違うことです。

このサンセバスチャンの海外沿いを歩いていると、どこの海岸線にもあるものが置いてあったのですが、その素材がまさにその土地固有のもので存在感が抜群でした。

いわゆる消波ブロックですが、よくある工業製品では無く、ただの大きな石の塊です。これは恐らく近くに産地のあるネグロマルキーナという大理石の塊のはず…。まさに地産地消。その土地で採れる石を切り出して無造作に積み重ねているだけなのです。無茶苦茶ぜいたくな使い方といえばそうなのですが、自分の土地で採れたものを使っているだけといえば、それだけな訳です。

海岸線の風景も同じような工業製品の消波ブロックがあると、どこも結局同じ風景となってしまいますが、こうやってその土地固有のモノが一つあるだけで、それはそこにしかない、たった一つの風景になります。そんな積み重ね一つひとつが、それぞれの街の風景、空気を作るのかなと思います。

簡単なようで難しい、そこだけの固有のもの。を考えさせられる海岸線の風景でした。




wacca architects 一級建築士事務所
坊垣祐司



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