空気の流れ

室内に熱をこもらせないためには様々な方法があります。最新の設備を用い、かつ建物の断熱性能を上げ空調の効率を上げることは基本とされ、そのような設備に頼った空調システムはアクティブな手法と言われています。それに対し近年特に省エネや持続可能な社会を目指すSDG’s(エスディージーズ)といった視点から、昔からあるパッシブな手法もあらためて見直されています。

通風の計画

例えば、すごく単純なことで“風の通り道を作ってあげる”ことがあげられます。自然の風を利用するだけで大きく通風・換気・排熱の3つの作用があり、風を上手く利用するだけで多くの効果が得られることがわかります。

通風の計画をする上でまず風の性質ですが、風は圧力の差によって生まれる空気の流れです。圧力が高いところから低いところへと流れが生まれます。自然界で言うと日光のあたり具合や地表の温度差によって高気圧・低気圧が生まれそこに圧力差による風が生まれると言う具合です。そのため特定の地域と季節によって吹く風の向きは大体同じようなものになり、それを卓越風と呼びます。この風に配慮して窓の位置や形大きさ、開閉の方式などを計画し室内の空気の流れを考えることで心地の良い空気の流れがあり、自然の風が吹き抜ける空間を計画することができます。

ある程度の風があるときには窓から外気を取り込むだけで室内の快適さは格段に上がります。気流は人の皮膚からの水分蒸発を促し、体感温度を下げる作用もあったりします。外の風を利用するだけで換気を行いなが室内の熱を排出し、体感温度を下げることもできるということです。

空気を循環させる

空気は家の中を循環しますが、暖かい空気は室内の上部に溜まる性質があります。冬場などで2階より1階が寒かったり夏場には暖かい空気が2階にこもってしまったり、これは暖かい空気が上昇しているからなんですね。

暖かい空気は上昇するという特性を知っておくと、空気の流れを考えるときにとても役に立ちます。吹抜けなどを利用して低い位置から風が入り高い位置から風が抜けていく配置にすると空気の流れがよく、風通しの良い建物になります。

自然環境を利用すること

建物の環境設備を考える上で機械の性能による省エネであるアクティブな手法と上記のような自然の力を借りるパッシブな手法がありますが、もちろん現代において省エネ性能を高くする為に最新機器を使わない選択肢はありません。ただパッシブな手法とアクティブな手法のバランスと効果を考えながら設計していくことで自然を感じながら、より快適な空間とすることができると思っています。




wacca architects 一級建築士事務所
坊垣祐司



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