鉄媒染の工程 – 木材加工編


前回ご紹介しました鉄媒染カウンターの実際の工程です。まずは塗装を行う木材ですが今回はブナの無垢板を使いました。元々の材木はこんな感じです。

ブナ原木
天然乾燥されたブナの原木

オーナーのルーツである青森の県産材でお店を設えたいと思い、材料にはこだわって探しました。これが様々な工程を経て納入したカウンターになるわけです。今回は運の良いことに、しっかりと3年以上天然乾燥された材料がまとまって手に入りました。

そもそもブナの木というのは水分を多く含み、加工後に狂いが出やすく家具の天板には中々使いづらい材料です。漢字で書くと”橅” つまり昔は使いみちが“無い木”とされてきたようです。今の時代ですと人工乾燥という方法もありますが、それでも加工にはとても気を使う材料です。シンプルに見える天板も中身は複雑に嵌合してあったり、様々な工夫で反りを防止しています。

まずはこちらの材料を分割し、接合(はぎあわ)せて目的の形状に加工をします。その際も反りの出にくいよう、そして木目が綺麗に出るように気を使いながらレイアウトしていきます。

ブナ無垢板001
客席のテーブル天板用
ブナ無垢板002
カウンター天板用 ワイドは約2000mm

で、下の写真が製材され天板の姿になったもので、まだ全くの無塗装の状態です。

ブナ無垢板003
製材された無塗装の天板

客席のテーブルはホワイト系のオイルで無塗装に近い仕上がり(通常のクリアーで塗装すると濡色と言って無垢の色とは変わってくるので要注意です。)に、シェフの舞台であるカウンターは“鉄媒染”で黒っぽく仕上げていくことになります。一枚一枚の天板が自然の木ならではの多彩な表情をしており、塗装をするとさらにそれが強調されとても美しくなるはずです。

使用したのはこちらです。

次は最後に塗装編です。




wacca architects 一級建築士事務所
坊垣祐司

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