外装木部塗装


以前に設計監理を行ったレストラン“bis tris(ビストリス)”が3周年を迎え外装の木部が少々色褪せてきましたので、今回上塗りをすることにしました。

3年経った外部の木材(樹種はイペ)

写真の通り、3年も経つと徐々に色褪せてきます。これも木材の経年変化の味わいの一つではありますが、上塗りを施すことで蘇らせることが可能です。

今回使用したのはオスモカラーのウッドステインプロテクター #708 チーク と #701 外装用クリアープラスのつや消しを1:3で混合したものを2度塗りしました。色に関しては色見本で確認、現場で調色しながら濃さを決定します。

こちらの塗料は含浸系の塗料で表面に塗膜を作るものではなく、木部に浸透して保護するタイプの塗料です。美しい木目をしっかりと活かした表情にしてくれます。木の呼吸を妨げず、高い撥水性、耐候性、耐紫外線性能がありますので外部の塗装にぴったりです。塗料も刷毛で塗るだけで美しく仕上がります。(下地の調整と養生は忘れずに)

イペの木目を活かして美しく蘇りました。

無垢材の良さはメンテナスをしっかりすれば何年経っても美しく保つことができるところです。時を経るにつれ徐々に、その場所でだけで造られる唯一の表情になっていくのが醍醐味です。

竣工当時はこちら。


聴竹居


昨年の暮れ頃のことなのですが聴竹居という建築を見に行く機会がありました。日本で最初に「環境共生住宅」を志向したといわれる藤井厚二という建築家の自邸であり実験住宅です。

環境、エコと今ではあたりまえに世間で言われていることですが、こちらは80年も前にそれが環境工学を基礎として実践された住宅ということでした。当初、見学に行く前は所謂、日本の伝統的な建築で”当時”新しかったものなんだろうなぁという感覚でいました。ところが実際にいってみると今見ても十分新しい、発見や驚きのある考え尽くされた住宅で時間を忘れて見入ってしまいました。

日本の住宅は擬洋風建築とも言われるような発展を遂げていきましたが、この住宅は西洋化一辺倒ではない日本の気候風土を考えた日本の住宅の正しい進化の形のようにも思えます。

クールチューブ等を使った外気の取り入れ、空気の流れや断熱性を考えた設計で今の住宅にも取入れることができる工夫が随所にありました。日本家屋では珍しい横長のパノラマ窓や照明器具のサイズ操作による奥行きの見せ方等々、書き出すとキリがないのでそれは専門書や実際に見学に行くことをオススメします。私自身も季節を変えて表情の違う”聴竹居”を何度も見に行きたくなりました。

過去に西洋の文化が日本に適合させることなくそのまま模倣によってたくさん取入れられましたが、そうではなくもう少し時間をかけ日本の文化の発展とともに西洋化したらどうだったか。そんなことを想像させてくれます。