外装木部塗装


以前に設計監理を行ったレストラン“bis tris(ビストリス)”が3周年を迎え外装の木部が少々色褪せてきましたので、今回上塗りをすることにしました。

3年経った外部の木材(樹種はイペ)

写真の通り、3年も経つと徐々に色褪せてきます。これも木材の経年変化の味わいの一つではありますが、上塗りを施すことで蘇らせることが可能です。

今回使用したのはオスモカラーのウッドステインプロテクター #708 チーク と #701 外装用クリアープラスのつや消しを1:3で混合したものを2度塗りしました。色に関しては色見本で確認、現場で調色しながら濃さを決定します。

こちらの塗料は含浸系の塗料で表面に塗膜を作るものではなく、木部に浸透して保護するタイプの塗料です。美しい木目をしっかりと活かした表情にしてくれます。木の呼吸を妨げず、高い撥水性、耐候性、耐紫外線性能がありますので外部の塗装にぴったりです。塗料も刷毛で塗るだけで美しく仕上がります。(下地の調整と養生は忘れずに)

イペの木目を活かして美しく蘇りました。

無垢材の良さはメンテナスをしっかりすれば何年経っても美しく保つことができるところです。時を経るにつれ徐々に、その場所でだけで造られる唯一の表情になっていくのが醍醐味です。

竣工当時はこちら。


建築の日本展


先日、六本木の森美術館で開催中の”建築の日本展”、見に行ってきました。日本の建築展ではなく”建築の”日本展なんですね。

添付の写真は会場に入ってすぐのところにあるミラノ国際博覧会2015の日本館で展示された木組み格子の壁です。副題にある、”その遺伝子のもたらすもの”という言葉どおり、古代からつづく伝統や風習を礎とした日本の建築という視点でいかに近代建築として発展していったのか、現代建築にも色濃く残っているその影響などがわかる展示でした。日本最古の茶室建築である国宝《待庵》が原寸で再現してあり、その極小の空間に入って体験することができたり、ライゾマティクス・アーキテクチャーによるパワーオブスケールという映像インスタレーション、丹下健三の自邸(1/3スケール)等々、見所が多い展示でした。

日本の建築の奥深さにふれ、まだまだ知らなかったことが多いので色々と見に行きたいものが増えました。


商店建築掲載


昨年、設計デザインしましたイタリアンレストラン”bistris (ビストリス)”が商店建築8月号(2017.08 / P91-P94)に掲載されました。

目を見張るような派手さはありませんが、素材を吟味しシンプルな空間の中に細かいところまでこだわりが詰まっています。劇場へ足を運んだ時のような静謐な空気感、そこでの演目(コース料理)を楽しむこと、に注力して設計しています。

見かけました際には是非ご一読ください。

料理も美味しいので、気になった方は足を運んでみて下さい。
素材の空気感も感じていただけると思います。


聴竹居


昨年の暮れ頃のことなのですが聴竹居という建築を見に行く機会がありました。日本で最初に「環境共生住宅」を志向したといわれる藤井厚二という建築家の自邸であり実験住宅です。

環境、エコと今ではあたりまえに世間で言われていることですが、こちらは80年も前にそれが環境工学を基礎として実践された住宅ということでした。当初、見学に行く前は所謂、日本の伝統的な建築で”当時”新しかったものなんだろうなぁという感覚でいました。ところが実際にいってみると今見ても十分新しい、発見や驚きのある考え尽くされた住宅で時間を忘れて見入ってしまいました。

日本の住宅は擬洋風建築とも言われるような発展を遂げていきましたが、この住宅は西洋化一辺倒ではない日本の気候風土を考えた日本の住宅の正しい進化の形のようにも思えます。

クールチューブ等を使った外気の取り入れ、空気の流れや断熱性を考えた設計で今の住宅にも取入れることができる工夫が随所にありました。日本家屋では珍しい横長のパノラマ窓や照明器具のサイズ操作による奥行きの見せ方等々、書き出すとキリがないのでそれは専門書や実際に見学に行くことをオススメします。私自身も季節を変えて表情の違う”聴竹居”を何度も見に行きたくなりました。

過去に西洋の文化が日本に適合させることなくそのまま模倣によってたくさん取入れられましたが、そうではなくもう少し時間をかけ日本の文化の発展とともに西洋化したらどうだったか。そんなことを想像させてくれます。


Living Room II by Michel Blazy



“「リビングルームⅡ」 ミシェル・ブラジー展”というのを見に行きました。

ミシェル・ブラジー展001
銀座のメゾンエルメスで開催しています。普段店舗に入ることは滅多に無いのですが、メゾンエルメスでは8Fでさまざまなアーティストの個展をやっていたり、10Fのミニシアターでは映画を見れたりします。どちらも無料で、素敵な空間で堪能できるのでたまにチェックして見に行きます。
▷「リビングルームⅡ」 ミシェル・ブラジー展

今回見に行ったのはミシェル・ブラジーさんというフランス人作家の方の個展です。日本で個展開催は初だったらしいです。近くで用事があったので閉館ギリギリに滑り込んで見ることができました。そのせいか人も少なくゆっくりと見れてよかったです。

自然の植物や動物など命のサイクルや移り変わりなどを作品に取り入れている方なんだそうです。

で、まず最初に登場するのがこんな感じ

ミシェル・ブラジー展002

プレステ2?から植物がはえてます。素材としては人や生物よりも長い寿命をもつのに、経済の流れの中での寿命はとても短い”型落ちした既製品”に植物を寄生させて文明の流れを感じさせる作品です。なんだかただのゲーム機がまるで太古の遺産のような雰囲気になってて不思議な感じです。うちの古くなってどうしようか困ってる家電なんかもこんな風にプランターとかにしてみたら楽しそうだなぁとか思いました。

ミシェル・ブラジー展003

でこちらは素敵な模様のカーペットだなぁ….と思って近づいてみると….。

ミシェル・ブラジー展004

わかりますか?カタツムリがたくさん!かれら生きてるんです。
そう、美しく見えた柄はこのカタツムリ君達が描いた軌跡だったんです。この他にもチョコレートとかをネズミがかじった跡とか、そういう小動物達との”共同作業”(と彼は言っています)でアートをつくっているんだそうです。

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2009-2016と表示があるので、7年かけて彼等が描いた軌跡だったんですね。。すごい。

ミシェル・ブラジー展006
ミシェル・ブラジー展007

ほかにも“ほうきになるほうき”とか”ワインを飲む壁”のアートとか、見た目の美しさと手法の面白さのアンバランスさがとても新鮮で楽しかったです。

まだ始まったばかりで2016 年11月27日(日)までやっているそうです。時間が経つと変化しそうな作品もあったので会期中にまた訪れてみたいです。興味のある方オススメです。

ここのギャラリーはガラスブロックをとおした光で、その日の天気や朝と夜で凄く雰囲気が変わるのも面白いです。ちなみに私が行ったのは雨上がりの日没後19:00頃でした。

ミシェル・ブラジー展008

最後にショーウィンドーもいつもセンスが良くて素敵、さすがです。
今回は、サボテンを専門とする植物家の小田康平さんの「旅の途中」というコンセプトらしいです。